人生は良いカードを手にすることではない
手持ちのカードで良いプレーをすることにあるのだ
( ジョッシュ・ビリングス )
Life consists not in holding good cards
but in playing those you hold well.
( Josh Billings )
◆現実を楽しめるのが人生の達人
『自分のための人生』〈原題:Your Erroneous Zone(錯信帯)〉
( ウエイン・W・ダイアー/渡部昇一・訳、三笠書房 (2011/7/21)、p296 )
まず第一に明らかなことは、こういう人は人生のどんなことも好きだということである。
何をやるのも楽しくやり、不平をこぼしたり非現実的なことばかり願って時間を消費するということがない。人生に対してきわめて積極的かつ貪欲である。ピクニック、映画、スポーツ、コンサート、なんでも好きである。都会も農場も山も、それに動物も好きである。人生すべてが好きなのだ。
こういう人のそばにいると、彼らは決して不平を言ったり、ため息をついたりしないことに気づくだろう。雨が降れば雨が好きだし、暑ければ暑いのもいいと思う。決して不平不満をいうことはない。交通渋滞に巻き込まれようが、パーティーに出席していようが、あるいは独りぽっちでいようが、ありのままの現実と素直にうまくやっていこうとする。
楽しくないのに楽しいふりをしているのではない。現実をそのまま賢く受け入れるのであり、現実を楽しむ特異な能力を持っているのである。彼らに嫌いなものは何かと聞いてみるがいい。なんと答えたらいいものか困りはててしまうことだろう。
雨が降ってきたといって、すぐに家の中に飛び込んでしまうような感覚の持ち主ではないのだ。彼らには、雨は美しくスリリングなものであり、おもしろい経験をさせてくれるものだからである。要するに雨が好きなのだ。道にぬかるみがあっても、彼らは腹を立てない。ぬかるみを観察し、その中にザブザブと入っていく。ぬかるみも、自分の人生の一部として受け入れるのだ。猫も熊もミミズでさえも好きなのだ。
彼らとて病気や旱魃(かんばつ)、洪水といったいやなものは歓迎しないけれども、それらについて泣き言を言ったり、こんなものはなければいいのにとブツブツ言いながら現在と言う時をむだに費やすことはしない。
現在置かれている状況を改める必要がある場合には、そうなるように努力する。しかも、その仕事を楽しみながらやる。実際彼らは、心ゆくまで人生を楽しんでおり、可能なかぎり人生からあらゆるものを得てやろうとしているのである。