軍事力の時代は終わった――「ハイブリッド戦争」で相手国を転覆させる――中西輝政さん
★メディアの自殺行為 → https://tinyurl.com/yckv9yk2
前川喜平氏は、官邸が「加計ありき」を押し付けてきたために行政がゆがめられたと主張しました。しかし、そんな事実はないことが7月24日の衆院審査において証明されました。「家計ありき」は前川氏ひとりの思い込みでしかなかったということです。しかしメディアは、前川氏の主張にもとづく報道を未だに繰り返しています。報道が真実を隠蔽するという、まさに自殺行為を繰り返しているのです。
https://www.youtube.com/watch?v=Qd7uORWN7gQ
加計疑惑!安倍晋三: 小野寺五典(自民)7/24衆院・午前
★ついに「心超臨界」の時来る → http://tinyurl.com/l7v2lbt
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( 心が臨界質量を超えるとは ⇒ http://tinyurl.com/5kr6f )
『アメリカ帝国衰亡論・序説』https://tinyurl.com/ybtnp7vh
【 中西輝政、幻冬舎 (2017/8/3)、p249 】
戦争の形態が、このように実戦で勝敗がついた時代から、抑止戦略がものを言った――それでソ連は崩壊した――時代に変わり、さらにそれがもはや絵に描いた古びた餅に過ぎないとなった現在、世界史を変える戦争とはどのような戦争でしょうか。
それは軍事力よりも、世論操作などの情報戦を多用する「転覆戦争(ハイブリッド戦争)」です。そもそも戦争は何のためにやるのか。相手国を自国の好みに合った国に変えてしまうことが目的でしょう。つまり相手国の政治体制を変えてしまえばいいという話なのです。
相手にいうことを聞かせるには、もはや相手を破壊することによってではなく、大枚をはたいてミサイルを揃え、相手を威嚇して抑圧することでもありません。むしろ相手とは貿易を一生懸命に行って、相手国と握手をして親しくし、インターネットもつないで情報交換しましょうと言って、相手が内側から倒れるのを待つことです。これが唯一可能な「大国間の戦争形態」なのです。そしてこれが一番、効率的な戦争の仕方でもあります。要は、相手に言うことを聞かせればよいのですから。
つまり、秘密裏に、じわじわと工作を進めることです。たとえば2010年ごろ、世界中が「アラブの春」と呼んで祝福した民主化運動がありました。あれを、アラブの若者が立ち上がって、純粋な気持ちで民主化を求めて行われたと思っていたら、とんでもない話です。
あるいは、リビアの革命は民主革命と言われましたが、カダフィを捕らえて殺したのは誰か、諸説あるのですが、当時はNATO軍がリビアを空爆している最中でした。それゆえ、アメリカの秘密工作員が関わっているのではないかとされ、この工作の推進者がアメリカの外交官だった、という説もあります。それとの関係で、その後リビアのアメリカ大使が襲われ、件(くだん)の外交官もベンガジで暗殺されました。この事件は、ヒラリー・クリントンが国務長官の時代に起こっています。
彼女が大統領選挙に立候補したとき、メール事件が明るみに出そうになりましたが、もし公表されていたらアメリカのリビア工作の経緯が明らかになっていたかもしれません。
「アラブの春」には、同じ類の話――つまり外国の工作による政権転覆の事例――がたくさんあります。つまり、「アラブの春」は、「人為的に仕組まれた民主化」だったということです。言い換えると、その大半は単純な民主化革命ではなく、外からの介入による人為的な転覆工作だったという見方が近年力を得ています。
オバマ政権は、ブッシュ親子のように安易に中東に兵隊を出すことはできないので、その代わり、人為的に独裁政権を転覆させ、アメリカ流の「民主化」を図ることで、アメリカの影響が強い、言うことを聞く国にしようとしたのでは、という見方が強まっています。そして、それに対する反発が、現在のISなどの反欧米テロの嵐につながっているのでは、と論じる専門家もいます。
これからの戦争は、このように、平和裏に、相手国の体制を自国に都合のいい体制の国に変える「戦争」、つまり前述の「ハイブリッド戦争」が主流になってくると考えられます。そうすれば、実戦で勝ったのと同じように「勝利」することができるでしょう。
相手がロシアならば、プーチンの独裁体制を変えさせればいいのですが、そうすればロシアは再び欧米の友好国になり、戦争に勝ったのと同じ効果が得られます。しかしプーチンは、自らとロシアにそうした脅威が迫っていることをもちろん熟知しているはずです。というのも、今やトランプ政権という「ロシア好み」の米政権が誕生しているのですから、そしてFBIやCIAとトランプの戦いは、プーチン打倒の是非をめぐる戦いでもあるのです。
ではプーチンはこの先、どうやってFBIやCIAに対抗するのか、ハイブリッド戦争の策を練っているはずです。そもそも今回の米大統領選挙でも、トランプに勝たせるために工作し、米メディア相手にいろいろな情報を流し込んで、アメリカの世論を誘導しています。
早い話、日本もまた、太平洋戦争という実戦で負けたあげく、占領下で日本の体制を平和裏に変えられて、あっという間に、アメリカにとって最高の友好国になりました。いわば、日本は、2回戦争に負けたことになるのです。これを専門用語で「戦後日本に対する対日心理戦」といい、その大成果が今日の日米関係と言うことになるのかもしれません。
中国の未来も同じでしょう。誰が中国を民主化できるのか、そのための対中ハイブリッド戦争はどういうものなのか、これが、これからの世界史の命題になりそうです。
★これらの記事を発想の起点にしてメルマガを発行しています。
前川喜平氏は、官邸が「加計ありき」を押し付けてきたために行政がゆがめられたと主張しました。しかし、そんな事実はないことが7月24日の衆院審査において証明されました。「家計ありき」は前川氏ひとりの思い込みでしかなかったということです。しかしメディアは、前川氏の主張にもとづく報道を未だに繰り返しています。報道が真実を隠蔽するという、まさに自殺行為を繰り返しているのです。
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【 中西輝政、幻冬舎 (2017/8/3)、p249 】
戦争の形態が、このように実戦で勝敗がついた時代から、抑止戦略がものを言った――それでソ連は崩壊した――時代に変わり、さらにそれがもはや絵に描いた古びた餅に過ぎないとなった現在、世界史を変える戦争とはどのような戦争でしょうか。
それは軍事力よりも、世論操作などの情報戦を多用する「転覆戦争(ハイブリッド戦争)」です。そもそも戦争は何のためにやるのか。相手国を自国の好みに合った国に変えてしまうことが目的でしょう。つまり相手国の政治体制を変えてしまえばいいという話なのです。
相手にいうことを聞かせるには、もはや相手を破壊することによってではなく、大枚をはたいてミサイルを揃え、相手を威嚇して抑圧することでもありません。むしろ相手とは貿易を一生懸命に行って、相手国と握手をして親しくし、インターネットもつないで情報交換しましょうと言って、相手が内側から倒れるのを待つことです。これが唯一可能な「大国間の戦争形態」なのです。そしてこれが一番、効率的な戦争の仕方でもあります。要は、相手に言うことを聞かせればよいのですから。
つまり、秘密裏に、じわじわと工作を進めることです。たとえば2010年ごろ、世界中が「アラブの春」と呼んで祝福した民主化運動がありました。あれを、アラブの若者が立ち上がって、純粋な気持ちで民主化を求めて行われたと思っていたら、とんでもない話です。
あるいは、リビアの革命は民主革命と言われましたが、カダフィを捕らえて殺したのは誰か、諸説あるのですが、当時はNATO軍がリビアを空爆している最中でした。それゆえ、アメリカの秘密工作員が関わっているのではないかとされ、この工作の推進者がアメリカの外交官だった、という説もあります。それとの関係で、その後リビアのアメリカ大使が襲われ、件(くだん)の外交官もベンガジで暗殺されました。この事件は、ヒラリー・クリントンが国務長官の時代に起こっています。
彼女が大統領選挙に立候補したとき、メール事件が明るみに出そうになりましたが、もし公表されていたらアメリカのリビア工作の経緯が明らかになっていたかもしれません。
「アラブの春」には、同じ類の話――つまり外国の工作による政権転覆の事例――がたくさんあります。つまり、「アラブの春」は、「人為的に仕組まれた民主化」だったということです。言い換えると、その大半は単純な民主化革命ではなく、外からの介入による人為的な転覆工作だったという見方が近年力を得ています。
オバマ政権は、ブッシュ親子のように安易に中東に兵隊を出すことはできないので、その代わり、人為的に独裁政権を転覆させ、アメリカ流の「民主化」を図ることで、アメリカの影響が強い、言うことを聞く国にしようとしたのでは、という見方が強まっています。そして、それに対する反発が、現在のISなどの反欧米テロの嵐につながっているのでは、と論じる専門家もいます。
これからの戦争は、このように、平和裏に、相手国の体制を自国に都合のいい体制の国に変える「戦争」、つまり前述の「ハイブリッド戦争」が主流になってくると考えられます。そうすれば、実戦で勝ったのと同じように「勝利」することができるでしょう。
相手がロシアならば、プーチンの独裁体制を変えさせればいいのですが、そうすればロシアは再び欧米の友好国になり、戦争に勝ったのと同じ効果が得られます。しかしプーチンは、自らとロシアにそうした脅威が迫っていることをもちろん熟知しているはずです。というのも、今やトランプ政権という「ロシア好み」の米政権が誕生しているのですから、そしてFBIやCIAとトランプの戦いは、プーチン打倒の是非をめぐる戦いでもあるのです。
ではプーチンはこの先、どうやってFBIやCIAに対抗するのか、ハイブリッド戦争の策を練っているはずです。そもそも今回の米大統領選挙でも、トランプに勝たせるために工作し、米メディア相手にいろいろな情報を流し込んで、アメリカの世論を誘導しています。
早い話、日本もまた、太平洋戦争という実戦で負けたあげく、占領下で日本の体制を平和裏に変えられて、あっという間に、アメリカにとって最高の友好国になりました。いわば、日本は、2回戦争に負けたことになるのです。これを専門用語で「戦後日本に対する対日心理戦」といい、その大成果が今日の日米関係と言うことになるのかもしれません。
中国の未来も同じでしょう。誰が中国を民主化できるのか、そのための対中ハイブリッド戦争はどういうものなのか、これが、これからの世界史の命題になりそうです。
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